この季節になると周りからよく「犬の散歩って行っていいの?」とよく聞かれるんですよね。
愛玩動物飼養管理士の資格を持っているからでしょうか…
初めて犬を迎える方や真夏の散歩について悩んでいる方もおられるかと思いますので、ここに備忘録として残しておきます。
真夏の散歩は行った方がいい?
正直、犬種にもよります。
室内でも十分に運動できる犬種、例えばチワワ・ヨークシャテリア・ポメラニアン・ティーカッププードル・カニヘンダックスなど
3kg以下の仔は真夏に無理に散歩に行く必要はないでしょう。
上記のような小型犬の場合は家でボール遊びをするだけでも十分運動&ストレス解消になります。
※あとで説明しますが、体高が低ければ低いほど熱中症のリスクは高まります。
他にも体力のない子犬や老犬には特に注意しましょう。
それ以外の中型犬や大型犬の子はなるべく散歩してあげないとストレスが溜まりますので、涼しい時間帯に行ってあげましょう♪
もし犬が嫌がった場合は散歩を控えてあげて下さいね。
真夏のアスファルトは超危険!
真夏のアスファルトは私たちが思っている以上に危険です
例えば昼間で気温が35℃の時、アスファルトの表面は何度だと思いますか?
答えはなんと65℃になります。※風や影によって変動あり
アスファルトは私たちが思っている以上に熱がこもりやすいので、散歩前に実際に地面を触って確認してみましょう。
具体的には地面に手の甲を5秒付け、暑いと感じたらその時間帯のお散歩を控えた方がよいでしょう。
※僕が地面の温度を測定した結果、マンホール>アスファルト>タイル>土>芝生
という結果が出ましたので、いつもの散歩ルートはどんな道か、もっと涼しい道はないか、一度考えてみて下さい♪
犬の肉球のやけどに注意。
犬の肉球が低温やけどを起こす温度は43℃前後と言われています。
散歩前に必ず地面の温度を確認してみましょう。
もしくは蒸れにくいタイプの犬用靴下の着用がおすすめです。
POINT
人の顔の高さと犬の顔の高さでは体感温度が5℃~10℃くらい変わります。
人間が涼しいと感じても、アスファルトにより近い距離で歩いているワンちゃんにとっては危険な暑さ…なんてこともありますので注意が必要です。
ちなみにこんな便利グッズもありますので犬を飼っている人は是非導入して散歩前に測定してみて下さい♪
-50℃~250℃までの測定に対応!対象物に向けてボタンをクリックするだけで温度を測れます。
犬は体温調整が苦手
犬は体温調整が苦手です。
人間のように全身で汗をかいて気化熱で体温調整ができないのです。
足裏のみ汗をかきますが発汗してもあまり体温調整には期待できません。
犬の場合ハァハァと息をすることにより体温を下げます(パンティング)
パンティングによる体温調整は凄く効率が悪いので、しっかりと犬の状態を確認しながら散歩することが大切です。
散歩する時間帯を考えよう
真夏に散歩をするなら時間帯が重要になってきます。
特に重要なのは11時~15時前後の散歩は控える事!
犬種によっては上記の時間に30分散歩すれば熱中症で死ぬと思ってもらって大丈夫です。
この時間は特に日光が強く、アスファルトに熱がこもりやすいのです。
散歩に適した時間帯としましては、早朝5時~7時、夕食後の20時~22時ごろがおすすめです。
特に夕方には気を付けて
陽が沈んだからと言って安易に散歩に出かけるのは危険です。
陽が沈んで体感温度が下がったとしても、一度熱がこもったアスファルトが冷やされるまでには時間がかかります。
一度地面に触って温度を確認してから散歩に出かけましょう。
夕方になって油断して散歩に出かけてワンちゃんが熱中症になってしまうという悲しい症例が沢山あります。
愛犬を守る為にも夏は特に注意してください!
19:00でも熱中症で死亡する
※去年友人の飼ってたパグちゃんが熱中症で死んでしまいました。
その時は9月初旬で蒸し暑い日だったそうですが時間帯はなんと19:00です。
当時の19:00の正確な気温はわかりませんが、過去の天気を調べるとその日の最高気温は35℃で最低気温は28.1℃だったみたいです。
まさかこんな時間帯に散歩していて熱中症になるなんて、経験しないと中々想像できないですよね?
このような悲しいことはもう繰り返さないためにも、みなさん注意してくださいね。
追記 気温と地面の温度関係を測定してみた
特に真夏の散歩に気を付けた方がいい犬種
色々脅しのように真夏の散歩の危険性を説いてきましたが、特に気を付けなければいけない犬種がいますのでご紹介いたします。
ちなみに散歩中に犬の体温が41.1℃を超えるとレッドゾーン、即抱きかかえて家に帰りシャワーで体温を下げて下さい。
熱中症で病院を受診する犬の50%は残念ながら死亡しています。シビアになりましょう。
頭の短い犬種(短頭種)
短頭種とは文字通り頭の短い犬種の事を言います。
フレンチブルドッグやパグを想像してもらえればイメージ付きやすいでしょうか?
短頭種は鼻が短く口腔内の面積が他の犬に比べ狭いため、パウンティングによる体温調整が不得意です。
一度体温が上がってしまうと中々体温が下がりません…
このため、熱中症などへのリスクが他のワンちゃんと比べるとはるかに高くなります。
他にも、シーズー、ペキニーズ、ボクサー、ボストンテリア、キャバリアなどが短頭種になります。
足が短い犬種(短足犬)
足が短い犬種も要注意です。
足が短い為地面と体の距離が近く、太陽光と地面からの照り返しによる熱のサンドウィッチになってしまいます。
人間がさほど熱いと感じない気温でも、熱中症になってしまう事が多々あります。
先ほども書きましたが、人間の顔の高さと、犬の顔の高さでは体感温度が最大10℃くらい変わります。
ダブルコートや体毛が黒い犬
コーギー、ゴールデン、ボーダーコリー、スピッツなど
毛がダブルコートの犬は他の犬種に比べて体に熱が籠りやすいです。
毛が黒い犬も同等の理由です。
特にコーギーなんかは夏の真昼間に散歩しているおじいちゃんおばあちゃんをよく見かけます…
真夏の散歩で気を付ける事
- アスファルトはなるべく歩かさないか、公園まではキャリーを使う。
- 昼間は避けてなるべく早朝か夜に散歩に行く。
- 水分補給はこまめに!
- 池がある公園なら最高
こんな症状の時は熱中症に要注意
口を大きく開けたまま苦しそうに速い呼吸をする(呼吸数、心拍数の増加)
ぐったりしていて元気がない
普段よりもよだれが沢山出ている(よだれにより脱水症状)
ふらふらと足取りがおぼつかない
座り込んで歩こうとしない
呼びかけても反応が薄い
ぶるぶる震えている
このような症状が出ている場合、素早い対処を行わないと危険性が高まります。
このままあと30分も散歩すれば死亡するリスクがかなり高まると思ってください。
対処方法
犬の脳の限界は42℃で45分、43℃で15分程度と考えられています。
一刻も早く体温を下げてあげましょう。
少しでも体温を下げるために涼しい場所へワンちゃんを移動させ、太い血管が走っている脇や股に、タオルを巻いた保冷剤を挟みましょう。
- 冷たい大量の水道水で冷やす
- タオルで冷水をかけて風を送り気化熱で冷やす
- 保冷剤や冷水タオルを頭や四肢の付け根など、太い血管が通っている場所に挟む。
- 水を飲ませる(犬用のスポーツドリンクならなお良し)
正直対処法と言ってもこれくらいしかありません。これ全部試しても中々体温は下がってくれません。
動物病院に行くよりも先に体温を下げる!コレ鉄則です。
家が近いなら抱きかかえてダッシュで帰宅⇒お風呂で冷たいシャワーを沢山浴びせましょう。
※氷水は皮膚の血管収縮により熱が体内にこもり逆効果となります。
先ほども言いましたが熱中症で病院を受診する犬の50%は残念ながら死亡しています。シビアになりましょう。
熱中症対策のオススメグッズ
首に保冷剤を包んだクールネックを巻き付けるのもおすすめです。
Amazonベストセラー1位のひんやりお散歩ベストもおすすめです。
暑い日でも地面の反射熱から大切なワンちゃんを守ってくれます。
水につけるだけで何回でも使用可能なのでもはや夏の散歩の必需品かと思います。
まとめ
真夏の散歩の危険性についてわかって頂けたでしょうか?
そもそもワンちゃんの体温が上がらない工夫をすることが大切です。
急な別れとなってしまわないよう、皆さんシビアに愛犬の事を見守ってあげて下さいね。
ここまで見てくれてありがとうございました。
これできっとあなたの家庭のワンちゃんも大丈夫ですね!
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全てのワンちゃんが幸せになる事を願って。